わかなtrente-neuf
娘が産まれて退院してから暫くして...
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親類たちがお祝いに訪問してくれました
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元義母は半年前に病で旅立っていましたが...
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初孫ということで元義父も遠方から...
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そして元義弟の姿もありました
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お祝いムードの空間の中...
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元義弟とわたしは別室で情事を目論んでいました
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でもわたしはフト...
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元義弟に話しておいたほうがいいのではないかと思い...
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コトの前に携帯電話で撮影した娘の血液型が記載されている用紙の写真を見せながら事実を伝えました
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すると...
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笑顔だった元義弟の表情が一瞬で青ざめ...
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身体中が震え出してきました
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何度もわたしに"本当か"と聞き...
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そして手で顔を覆いながら"兄貴に申し訳ないことをした"と泣き始めました
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そんな姿を見て"大丈夫...兄弟だしバレることは無い"と励ましたのですが...
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それが逆効果でした
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"バレるに決まっているだろう!オレ...どうしよう"
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いままで見たことのない元義弟の激しい動揺
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でもわたしはどこか俯瞰的でした
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元義弟はすぐさま部屋を飛び出て...
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一目散に自身の自宅へと戻りました
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わたしは呆氣にとられながらも...
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落ち着いたらまた二人で過ごそうと思っていました
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そして数日後...
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元義父から一本の電話がありました
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それは...
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元義弟の自死です
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町外れの空き地に駐車されていた車内で...
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あなたも知っての通り...
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遺書が遺されていました
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わたしは"まさかこんなことで"と衝撃を受けました
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当時のわたしは浅はかでした
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元義弟との不倫托卵という罪がどれだけのモノなのか...
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知るよしも無かったのです
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そして葬儀を済ませ...
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年月が過ぎ身内に起きた傷が癒えはじめようとしたある日のこと
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わたしは実家の片付けの手伝いに一人車で向かいました
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元夫は"久しぶりに実家でノンビリするといい"と娘を預かってくれていました
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わたしは両親と片付けをしながら...
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元夫から送られる娘の写真などを見せ...
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愉しく過ごしていました
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そんな時です
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娘が自転車で転んで大怪我をしたと連絡が入りました
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わたしは急いで車を病院まで走らせていました
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そして病院に到着した際...
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元夫はわたしを見るなり...
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"どういうことだ!ワカナの血液型はO型だって言っていただろ!オレたちはO型...なぜA型なんだ"
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わたしは身体の重力が下へグングンと下がっていく感覚を覚えました
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まさかこんな形でバレるとは...
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これからどうしよう
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娘の無事を祈る余裕すらありませんでした
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そんな数週間後...
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娘は無事に退院しました
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ですがそこで待っていたのは...
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元義父・わたしの実家の両親...
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さらには元夫の依頼で弁護士が呼ばれ...
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慰謝料等の話し合いが持たれました
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元夫はワカナを溺愛していました
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週末はレジャーや買い物...
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娘が興味を示す事には積極的に習わさせ...
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そして絵描きも一緒になって娘と...
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だけど...
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元夫は娘の親権を拒否しました
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当然のことです
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よく血の繋がりが無くても親権を取るため家庭裁判を起こすと言われていましたが...
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元夫はそれを放棄しました
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血の繋がりは無い
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だけど...ある
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その身内が絡む複雑さに元夫も相当悩んでいたようです
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でも元夫は...
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最後に娘とピクニックがしたいと言ってきました
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それをプロ画家でもある...
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元義父にデッサンして欲しいと
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わたしは困惑しました
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ですが娘が"おとうさんとおかあさんとピクニックしたい"とも話してくる
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わたしは贖罪の意味を込め...
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それを了承しました
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そして家族で過ごす最後の日...
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実家に身を寄せていたわたしと娘は久しぶりに元夫と元義父に会いました
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娘は大よろこびしていました
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元夫も時折涙を浮かべながら娘との時間を過ごしていました
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その時です
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お弁当の蓋が風で飛ばされ...
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それを娘が取りに行くと...
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一匹のカラスがそれをくわえて娘の元へ...
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それは元カラスだった...
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あなた