わかなtrente-huit
...ワカ先生
...
...あの!
...
わたし...
...何だ?
えっ?
この...
...
最低ゲス野郎
...
顔も見たくねぇ
...
声も聞きたくねぇ
...
うせろ
...
そして氣安くワカ先生って呼ぶな
...
人工的な香り以上にクソキモい
...
昨日の今日だ
...
これ以上オレに近づくなら...
...
意識体とはいえ...
...
問答無用で...この手で裁く
...カラスくん
...
わたしだ...
師匠...
...すまない
...
本当に...
...
そして...
...
あなたのそのやり切れない氣持ち...
...
痛いほどわかる
...
妻が病をわたしに隠したまま先に旅立った...
...
どうしようもない思い
...
そして...
...
次男が元義娘と関係を持ち...
...
托卵が発覚した瞬間の...
...
怒りと憎しみ
...
よくわかる
...
けど...
...
どうか元義娘の話を聞いてもらえないだろうか?
...
わたしもここまで心を落ち着けるのには...
...
相当の時間がかかった
...
しかし...
...
あなたの言う通り...
...
まさに昨日の今日
...
ワカナと同様とても辛いと思うが...
...
元義娘はあなたに真実を話したいと希望している
...それならワカナさんに意識体として話されてはどうですか?
...カラスくん
...
ワカナは今...
...
完全に元義娘をシャットダウンしている
...
わたしでさえ入る隙間が無い
...
...カラスくん
...
多くのことを乗り越えてきたあなたに...
...
話をさせていただきたい
...
この通り...おねがいいたします
...師匠
...
顔を上げてください
...
憧れの師匠のそんな姿は見たくありません
...
...分かりました
...
話を聞きます
...カラスくん
ただ...
ん?
声だけにしてもらえませんか?
...
...ただでさえ同じ空間に居たくないのに
...
姿を見ると怒りが増すだけですから
...分かった
...
ありがとう...いま変わる
...
...すみません
...
それではお話しさせていただきます
...
元夫とは幼馴染でした
...
ですので...
...
不倫相手だった元義弟とも顔馴染みで良く三人で遊んでいました
...
そして23歳に...
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中学時代から付き合っていた元夫と結婚しました
...
結婚後しばらくして...
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元夫は単身赴任をすることとなりました
...
マイホームを建てていたため...わたしは残りました
...
元夫とはメールや電話で近況を伝え合っていました
...
しかしその傍らで...
...
わたしは寂しさから...
...
10代の頃からわたしに好意を寄せていたと告げられた元義弟と関係を持ち始めました
...
元夫は1年間単身赴任をしていました
...
赴任先から戻ってきても元義弟との関係は続いていました
...
元夫とも夫婦の関係はありました
...
ですがそうしたことに淡白だったことも相まって...
...
情熱的に迫る元義弟との関係を止めることは出来ませんでした
...
そんな中...
...
お腹に生命を宿しました
...
元夫は大よろこびでした
...
一瞬わたしは...
...
もしかして...と疑いの心を向けましたが
...
元夫とも仲が悪いわけではなかったので...
...
娘が産まれるのを二人で準備しながら待ちました
...
そして...
...
娘が誕生しました
...
そこで血液型が判明したのですが...
...
驚きました
...
娘はA型
...
元夫とわたしはO型
...
そして元義弟が...
...
A型
...
わたしはてっきり元夫との子どもだと信じてきたので...
...
激しく動揺しました
...
ですが娘が誕生してうれしそうにする元夫の姿を見て...
...
わたしは墓場までこの真実を持って行こうと決めました
...
兄と弟...
...
兄弟だからバレることは無いと過信してしまいました
...
その誤った判断が...
...
あなたは元より...
...
娘...
...
そして関わる人間全てを混乱に巻き込んでしまいました