からす34

驚いた

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自身にこんな...

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残酷とも言えるような一面があったなんて

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愛らしい仕草でねだるあなたに対し...

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半ば突き放す態度をとった

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あなたは一瞬驚いた表情をしたものの...

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すぐに含みをもった顔となり...

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よろこびのステージへとヒトリ登壇した

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あなたは自身の眼差しを氣にしながらも...

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次第になりふり構わない振る舞いとなり...

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激しくあなた自身を表現していく

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そして自身に対し"一緒に即興演奏に参加しよう"と声なき声で誘惑してくる

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でも自身は...

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その手には乗らない

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ただただ...

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あなたがよろこびへのフィナーレを迎えるその瞬間を"寂静"という空間で待っていた

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これまで存在すら知らなかった場所

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それを知ることが出来たのは...

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あなたと向き合いながら一つとなり...

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男性が生命を放ちそれを受け止めるツールの感覚を互いに感じあっていたから

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そして思うこと...

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男性だから積極的に女性に往来しなければならない

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女性だからエロティックなことは考えてはいけない

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そうした固定概念...

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それが当たり前だと思い込まされてきたし

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それを疑うことすら思わない

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けれど...

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もうその考えは今の時代には合わない

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これからは...

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互いに嘘の無いコミュニケーションを図り

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どうすればより良い関係性を保てるのか

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そうしたことにフォーカスしていく時代

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空間は常に変化している

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その変化に対応出来る柔軟な考え方が必要だ

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それを教えてくれたのは...

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オンナのよろこびを表現し...

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そして自身の元へ倒れ込むあなた

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即興パフォーマンスを終えたあなたは...

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満足した表情で"ありがとう..."と呟く

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トリミ...

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ブラーヴァ!

驚いた

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わたしの願いごとは断らないあなたが...

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一見冷酷とも言える態度

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わたしは一瞬"見放された"と錯覚した

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でもその考えは直ぐに取り消し...

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わたしに向け...

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何かを示唆しているのだと

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そんなわたしはあなたの指揮のもと

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徐ろに即興パフォーマンスを開演させた

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あなたの真剣ながらも冷静な眼差しに...

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全てを見透かされているような感覚を覚え...

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そして滞りなくよろこびの階段へと駆け上がっていく

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初めはあなたの視線が少しだけ氣になっていた

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けどそんな小さなことは直ぐに消え去る

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それ以上に...

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疼くようなあなたの情熱で早くよろこびを表現したい

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ただただその想いで...

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一心不乱にパフォーマンスし続ける

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だけど...

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指揮者もこのよろこびのステージへ参加しないと...

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観客はブーイングを起こす

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わたしはあなたに"一緒に即興演奏をしよう"と態度で示す

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でもあなたは...

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わたしの手には乗らない

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あなたはただただ...

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マナーを守り静かにコンサートを鑑賞している観客と化している

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"指揮者なんだから参加してよ"

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わたしは再度促すも...

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それでもあなたは応じない

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そんな微動だにしないあなたを見て...

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アーティストとして活動するための大切な想いを育て...

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そして氣づきを得ようとしている

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傍目男女が睦まじく過ごし...

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オンナがよろこびへ向け行動している中で...

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あなたはヒトリ孤独の空間に足を運び...

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寂静の世界に身を置いている

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でもあなたはわたしを蔑ろにはせず...

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パフォーマンスを終えたわたしをしっかりと抱き留めてくれた

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不在と思われた指揮者は初めから同じステージに立っていたのだ

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ワカ...

...

ブラーヴォ!

 

 

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