じんや6mémoire

話...

...あぁ

でも...

当時の調書はある

...

しかし...

...ジンヤさん

ん?

わたしは...ともかく

...

兄は...

...現在は行方不明

ハイ...

...

...母が火事で亡くなったあと

...

わたしたちは...

...

離れ離れになりました

...

わたしは...父方の姉家族

...

兄は...母方の弟家族

...

それぞれに預けられました

...

でも...

...

やっぱり上手くいかなくて

...

だから...

...

高校卒業して直ぐに一人暮らしを始めました

...

わたしには夢がありました

...

"画家になる"という

...

...でも

...

そう簡単にはいきません

...

本格的に学ぶためには...

...

お金がかかる

...

...母が亡くなる前

...

美術系の高校受験を決めていました

...

兄も応援してくれていました

...

ですが...

...お母さまが亡くなられてしまって

ハイ...

...

でも...やっぱり

...

絵を本格的に学びたい

...

それで...

...在宅ワークと並行して

...

こちらのお仕事を...

...結構な稼ぎなんです

...

慣れるまでは大変だったけど

...

夢のためなら...

...ユナさん

ハイ?

この仕事...

...

愉しいですか?

えっ...

...

あ...

...

...色々あるけど

...

これからも...

...ユナさん

...

わたしは...

...

"愉しいか"と訊ねている

...

あ...申し訳ない

...

責め立てるような...ん?

...

ユナさん...

...ジンヤさん...

...

わたし...

...

...これっぽっちも

...

愉しく...ない

...

下劣なことしか考えていない...

...

オトコたちの相手をすること

...

ちっとも愉しくなんか...

...

...だけど

ん?

ジンヤさんと居ると...

...

ホッとする

...

ジンヤさんと話をしていると...

...

愉しい

...

出会って間も無いのに...

...ユナさん

...ごめんなさい

...

勤務中なのに泣いてしまって...あっ

...

ジンヤさん...

...良ければ

...

ハンカチ...使ってください

...

...少し皺になってしまっているけれど

ううん...うれしい!

...

ありがとうございます...

...

...ふぅ

...

なんかスッキリした

...

涙をヒト前で見せるなんて...

...

...母と暮らしていた家が火事になって以来

...

母を助けたくても...

...当時は

...

七夕の日だった

...ハイ

あなたがたの誕生日...

"ご馳走を創って待っている"

...

仕事休みの母がそう言って...

...当時の台所事情はオール電化

...だから

ん?

なぜ家が火事に...って

...調書によると

...

当初はコンセント類の漏電ではないかという見立てだった

...

しかし...

...

...焼け跡からライター

...

そして...

...ガソリンの匂い

放火殺人という線が濃厚となった

...

にも関わらず...

...ジンヤさん

ん?

そろそろ...

...

その...

...

店の時間が

...あっ!

あの...

ん?

わたし...

...

ジンヤさんで最後のお客さまにしたいから

...

仕事...

...

辞めます

 

 

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